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フィンテック競争に巻き込まれるインドネシア市場

インドネシアで中国系のフィンテック消費者金融企業がビジネスを拡大している。現段階で、インドネシア金融サービス庁(OJK)の規制が緩く、中国勢がスマホを活用した消費者金融サービスを拡大している。ここでも攻める中国勢と防御する東南アジアの構図が見えてきた

スマホを活用したフィンテック中国消費者金融企業がインドネシア進出ラッシュ!

GoRupiah(印飞科技)という中国企業がある。設立は2017年4月20日の若い企業だが、8月14日には独自で開発したアプリ(GoRupiah)を活用したペイデイローン商品(次の給料日に返済する消費者金融商品)でインドネシア市場でビジネス展開を行なっている。既にアプリのダウンロードは7万、登録ユーザー数で4万人に及ぶという。口コミでアプリは広がり、特別な広告コストなどをかけずに自然流入により低コストで新規顧客を獲得できるという。GoRupiahの他にも、RupiahPlus(印闪)  TunaiKita (闪银) 、Weshare(掌众) 、tangbull(唐牛)、akulakuなどの中国企業が、インドネシアで消費者金融ビジネスを開始している。

現在のインドネシアは、中国で消費者金融フィンテックが拡大し始めた時期に酷似しており、規制がゆるく十分な収益を見込めるという。ちなみにインドネシアでの銀行口座開設人口比率は4割程度しかなく、クレジットカードを保有している人口比率は約5%にしか満たないという。

 

中国で進む規制強化と、海外展開に活路を見出す中国フィンテック企業の構図

中国国内で、現在2693社の消費者金融関連の企業が存在するが、その中でインターネットを活用したフィンテック消費者金融企業は1366社存在する。実は、先般の中国政府の規制強化のあとで、正式にライセンスを取得し活動を行なっている企業は213社と全体の10%程度しかないという報告もある。

こうした中国金融当局の規制強化を受け、多くの企業が活路を見出すために東南アジアへの進出を加速しているとも考えられる。中国国内でのビジネスは、ライセンスを保有していない企業は、正気にライセンスを保有する企業と合併した上でビジネスを継続するか、ビジネスをクローズするの二者択一となる。

その双方の選択肢も選ばない(選べない)企業が企業が、第3の選択肢として海外に活路を見出しているのである。海外戦略を選択した多く企業が、インドネシアを進出先として選択しているようである。

参考記事:アメリカ上場の消費者金融系中国フィンテック企業に激震! 中国政府による新たな規制が導入。株価は全面的に大暴落!

どうして中国系フィンテック消費者金融企業が、インドネシア市場を目指すのか?

1、インドネシア市場の人口構成的な魅力

インドネシアは、人口2億6000万人に及び東南アジア全体の人口の約半分を占めている。インドネシア人口の約70%が35歳以下の若年層であり、そうした若年層はインターネットリテラシーも高く、スマホを活用したフィンテック消費者金融の仕組みに融和性が高く市場自体の魅力が高い。インドネシア人のFacebook好きは有名であり、多くの人々がSNSを自然に活用する国民性があり良いサービスが膨大な広告費を費やすことなく口コミで拡散する強い文化がある。

 

2、インドネシアの金融サービス庁(OJK)の規制が緩い点

インドネシアの金融サービス庁(OJK)は、金融セクター全般の監督を担う省庁であるがこの省庁自体が2014年に設立されたばかりで、従来は財務省やインドネシア中央銀行が直接的に金融規制を監督していていた。比較的若い省庁ということもあってか、フィンテックを中心とする新しい金融分野での規制が整備されていない。

現在、OJKに対しておよそ150のフィンテック消費者金融企業がライセンス交付を申請しているが、認可のスピードは極めて遅く26社ほどの企業が一次審査を通過している。GO-JEK(バイク配車アプリ)も、インドネシアの決済企業であるMVCommerceを買収する形で、消費者金融ライセンス(P2P landing licence)を獲得している。

当然であるが、外国資本に対する規制もあり外国資本が自由に活動できないため、正規のライセンスを申請するためには、ローカルのパートナーとの提携が必須となる。

3、従来、インドネシアには便利な消費者金融サービスがない

2016年のインドネシア一人当たりの名目GDPは3800ドル程度である。

インドネシア人の国民性として貯蓄性向が低く消費を好む民族である。低所得者は月末にキャッシュが不足する傾向があり、次の給料日までという短期間の期日を限定してお金を借りるペイデイローンのニーズは極めて旺盛なのである。

預金金利は6-7%に達するので、当然貸し出し金利も高い。次の給料日までという短期間で少額の資金を借りるニーズを満たす金融商品は、まさにインドネシアの市場にぴったりとマッチしているのである。

中国系フィンタック企業が、最も得意とする分野が、7,14,28日などの短期間で少額の資金を貸し出すことである。こうした資金需要に対して、スマホのアプリ一つで融資を実行してしまうという金融商品はまさに現地の需要とマッチして急速に拡大しているのだる。中国勢のスマホだけで簡単にお金を借りられる仕組みが、インドネシアの従来の金融機関が提供していたサービスよりも便利で、口コミで広がっていると思われる。

以上のように、中国系のフィンテック消費者金融企業の活動がインドネシア政府で急速に広がっているようだ。現在、インドネシアで普及しているフィンテック消費者金融アプリの7割が背後には中国企業が存在しているという。中には表向きは中国資本が入っていると想像できないものも多いという。

 

近い将来は、インドネシア金融サービス庁による規制導入へ!?Go-Jekの動き

現在のインドネシアで起きている中国系フィンテック企業の進出は、インドネシアの金融当局である当局金融サービス庁(OJK)規制の隙間を狙ったようなものである。将来的には、当局が規制を強化し自国の金融機関や国民を保護するような規制が導入されることになるのであろう。

インドネシアにふさわしい形の消費者金融フィンテック企業とはどのような姿なのであろうか?その一つの動きが、買収という形で消費者金融ライセンス(P2P landing licence)を取得したGO-JEKの動きに見て取れる。

GO-JEKは、インドネシアでは神アプリと言われる大変便利なもので、元々はバイクタクシーの配車アプリであった。それが徐々にサービスを拡大し、GO-FOOD、GO-MART、GO-BOX、GO-MASSAGE、GO-CLEANなどの機能を備え、外食のデリバリーや、買い物の手伝いや、部屋掃除までなんでもアプリで依頼できてしまうサービスなのである。実は、このGO-JEKが消費者金融ライセンス(P2P landing licence)を取得したことで、バイクタクシーの運転手から、お金を引き出せるという動きが出ている。人間ATMとも呼ばれバイクタクシーの運転手を介在となりお金を引き出すというビジネスモデルが、インドネシアの金融サービス庁(OJK)から正規に消費者金融ライセンス(P2P landing licence)の交付を受けているのである。これは、大変興味深い動きである。

アメリカでは、スーパーマーケットで買い物をすると、Do you want cashback?と聞かれ、初めはキックバックサービスでもしてくれるのかと思っていたが、後からATMへ行かなくても、スーパーマーケットで現金を引き出せるサービスだと知ったことを思い出した。インドネシアでもATMをわざわざ活用しなくても、身近な手段を活用してちょっとした現金を獲得できてしまうようなサービスが展開してきているのは大変興味深い。

GlotechTrends(グローバルテクノロジートレンド)としては、今後も各国のフィンテックの動向に注目していきたい。(Glo Tech Trends)

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