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中国の「中小都市」英会話ビジネス

「北上広深」と呼ばれる北京・上海・広州・深圳を中心に大都市をターゲットとしたサービスは大量に存在し、レッドオーシャン化している。ブルーオーシャンは中小都市。都市化のスピードが世界で最も速い国の一つとされる中国で、都市化の途上にある中小都市では市場のパイが拡大を続けている。スタートアップの急成長を実現する格好の場なのだ。

「一番のターゲットは中小都市。そもそもネイティブの英語教師はほとんどいないし、英語をきちんと教えられる先生も少ない。でも親は非常に教育熱心で、月収10万円ほどの家庭で英会話に8000円の月謝を払ったりするんです」

前回紹介したB2Bの英語教育の清成教育の三澤公希が狙うのは、中小都市。英語をきちんと教えられる教師がいない。一方で親はレベルの高い英語教育を子供に受けさせたがっている。そんな地方の需給のミスマッチを解決しようというのだ。授業の導入先は、幼稚園と学童保育を行う事業者だ。

清成教育の授業風景。アメリカ在住の英語教師と子供たちが直接やりとりする(清成教育提供)

競合少ない一方で消費は旺盛

中国の学童保育は日本とは異なるので解説したい。中国の小学校では給食がなく、昼食を外で食べなければならない。加えて、宿題の量も膨大。専業主婦の家庭でない限り、とても自分たちで子供の面倒を見ることはできない。共働きが一般的なので、低学年の子供のほとんどが学校の周辺にある学童保育の施設を利用している。学童保育では、昼食、夕食、宿題の面倒を見てくれる。通常一つの小学校の周りに多数の学童保育の事業者が存在する。

三澤はこうした学童保育の施設に英会話の授業をパッケージで導入しようとしている。宿題と食事の世話をしてくれるだけだった学童保育をグレードアップさせ、ライバルの学童保育と差をつけさせようとしているのだ。

英会話の授業を導入する場合、学童保育の事業者がすることといえば、オンライン授業のためのインターネットの接続環境と、モニターやマイクなどの設備を整えること。加えて、授業をよりスムーズにするために補助的なチューターのような役割を担う先生を一人配置するだけ。授業の進め方は清成教育が管理し、チューター役の先生が授業をどうサポートするかはマニュアル化されている。この先生には高い英語レベルは求められないので、同社のパッケージはどこでも導入可能なのだ。

「地方でも北京と同じレベルの英語教育ができるのが強みです。親は子供を学童保育に入れてさえおけば、毎日一定時間の英会話教育を受けさせられる。毎日英語に浸る時間があるので、週に1回程度しか通わない英会話教室よりも教育効果が高い」

授業を行っているのは北京、上海、西安、安徽省など計10カ所。6~10人程度のグループ学習のため、一人の英語教師に払える授業料はマンツーマンに比べて高くなる。そのため、優秀な教師をヘッドハンティングでき、授業のレベルが上がり、同社の評価も上がるという好循環が生まれている。

三澤が担当するのはプロダクトの開発。中国人パートナーが営業や対外的なPRを担当している。本部のある北京のコア社員は10人で、地方都市にブランチも持つ。三澤自身、授業の効果を確認するために安徽省寧国市という総人口38万人ほどの地方都市のブランチを月に数回訪れる。今後、営業を強化し「新たに授業のパッケージを導入するところを年に最大で120スペースのペースで増やしたい」と右肩上がりの成長を誓っている。

 

市場の大きさとローコストが魅力

「中国の中小都市の都市化のスピードはまだ上がっていて、多くの農民が都市に流入している。そこをターゲットにした家具・装飾市場は需要が大きく伸びている」

VCの天成資本のパートナー、陳超陽はこう地方のビジネスの有望さを語る。天成資本は17年の下半期に、まさにこの部分をターゲットにしたベンチャー「越界家居」に投資した。越界家居は中国風と西洋風の折衷的なデザインの家具や、カラフルで現代的なデザインの家具など、顧客の好みに合わせて、室内全体の家具も含めた装飾をオーダーメイドできる。

 「中国では25~35歳の女性が家庭内の消費の7~8割を決めているとされる。彼女たちの消費力は極めて高く、そこをターゲットにした投資に力を入れている」と陳。なかでも、二、三線都市に流入してくる家庭の女性をターゲットにした家具市場は、堅調な伸びが見込めると判断している。

中国では都市を「一線都市」「二線都市」「三線都市」と区分する。一線都市は北上広深と天津。二線都市は一線都市より格が落ちるものの国の経済・社会に大きな影響力を持つ都市を指し、青島、厦門(アモイ)、西安、長沙など。三線都市はその下の中小都市だ。

一線都市は競争が激しいし、人件費も不動産価格も上がっていて、何をするにも高くつくためビジネスをしても利益は少ない。それに対して二線都市、三線都市はまだ都市化の途上にある。政治的にも人口の流入を誘導している最中なので、都市化の流れは当面続く。二、三線都市をターゲットとするビジネスは、成長が落ち着きつつある一線都市に比べて伸びしろが大きい。

二、三線都市で起業で特に有名になっているのは成都、武漢、長沙など。起業を促進する優遇策が豊富で、インキュベーターなどのスタートアップを支える組織も整えられ、経済条件も恵まれているからだ。海外留学組の地方都市での起業も増えている。「2017年海帰(海外留学組)就業創業調査報告」によると、海外留学組が起業する都市は1位から順に北京、上海、成都、広州、武漢となっている。

二、三線都市で起業し全国ブランドになるベンチャーもすでに出てきている。三只松鼠はネット上のみで流通する食品ブランドで、安徽省蕪湖市に本部がある。ネット上で服飾の販売をする韓都衣舎は山東省済南市に本部を置く。どちらも中国ではなじみのブランドとして定着している。今後、これまで以上に地方から脚光を浴びるスタートアップが出現するに違いない。(WEDGE Infinity)

 

 

中国でも英会話ビジネスは盛んです。一方記事にあるように英語教師の確保に苦労していると、現地の語学学校担当者から聞いたことがあります。中国滞在時マンションをアメリカ人とルームシェアしていた時期がありましたが、彼も英語教師としてアメリカから中国に赴任してきたとのことでした。ただしネイティブとはいえ英語教師としての経験はなく、これまでの職歴もスポーツトレーナーといった正式な語学教師として経験はまるでない状態でした。日本人が日本語が喋れるというだけで簡単に外国の語学教師になれるようなもので、英語教師の不足を垣間見た気がしたものです。一度学校の校長先生から同居人について聞かれたことがあるので、いわゆる自国のあぶれ者が海外で就職できるというだけで応募してきたのではないかといった懸念があり、信頼できる人物かといった点から確認しなくてはならなかったかも知れません。日本で英語教師の経験があるなら、中国で英語を教えるという選択肢も多いにあるのではないかと思います。

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