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満足度は驚異の95% “大人のキッザニア”仕掛け人が「大人に伝えたかったこと」は何か聞いた

“子どもが入場できない”ことで話題を呼んだ「大人のキッザニア」、運営会社に開催の狙いを聞きました。仕掛け人が大人たちに伝えたかった「子どもの生きる力を育む」こととは――。

キッザニア

大人が本気で職業体験に取り組んだ大人のキッザニア

 3歳から15歳の児童を対象している子ども向けの職業体験施設「キッザニア」は、世界20カ国で26の施設(2018年12月現在)を展開しており、2006年には日本に上陸。現在は東京(東京都江東区)甲子園(兵庫県西宮市)の2つをKCJ GROUPが運営しています。

キッザニア

キッザニア甲子園が入っているららぽーと甲子園

 そんなキッザニアの特徴は、「こどもが主役の街」であること。大人は子どもの付き添いで入場することもできますが、職業体験は子どもしかできません。そのため以前から「大人もやってみたい」という声が上がっており、今回の開催につながりました。

キッザニア

大人気だった大人のキッザニア

仕掛け人が語る「大人に伝えたかったこと」

 仕掛け人は「キッザニア甲子園事業部」で副事業部長を務める林実さん。キッザニア内では“ミゲール”の愛称で親しまれています。

キッザニア

KCJ GROUPの林実さん

――「大人のキッザニア」を企画されたきっかけを教えてください。

林:キッザニアは「子どもを連れてこなければ入れない施設」のため、子どもと関わりのない大人からすると“謎の施設”という印象がありました。また子どもと一緒に入場したとしても、大人はパビリオンの中に入れないため、ガラス越しで体験を見守ったり、子どもから伝えてもらわないと、どんなやりとりを経て、どんな体験をしているのか分からないんです。そこで「“子どもの生きる力を育む”というキッザニアのコンセプトをより多くの方にお伝えできれば」と、甲子園オープン10周年を機に大人のキッザニアの開催を決めました。

キッザニア
キッザニア

オープン10周年を迎える「キッザニア甲子園」

――先ほど“子どもの生きる力を育む”という言葉が出ましたが、具体的にはどういったことでしょうか。

林:子どもたちがさまざまな体験を通じて自分たちで考えたり、学んだり、困ったりも含めて、自立心や自信を持ってもらうということです。

――あらためて、キッザニアの魅力はどんなところにありますか。

林:非日常でありながら、日常であるというところです。他のテーマパークや遊園地は非日常で夢を楽しむのが醍醐味ですが、キッザニアでは限りなくリアルな街を3分の2で再現して、現実を体験してもらえるように心掛けています。ですから、消防車などの車が通行したりもして、「万が一ぶつかってしまったら危ないから車道の真ん中は歩かないほうがよい」ということも学べるようになっています。

キッザニア

施設内では救急車も走行

キッザニア

消防車や

キッザニア
キッザニア

ヤマト運輸の宅配トラックも

キッザニア

施設内を走行

――私も今回初めてキッザニアにやってきたので、働いたらお金がもらえたり、ATMから(キッザニア内の通貨を)引き出せたりとリアルで驚きました。街並みもかなりリアルですよね。

林:リアルさには本当にこだわっています。例えばキッザニアの中には「トイレはここです」といった看板が本当に少ないんです。今リアルの世界では携帯電話があれば何でも調べられるかもしれませんが、携帯電話を持たず、知っている大人も少ないという中で、どうやったら伝えられるのか、どうやったら答えを見つけられるのかを学ぶことが究極の“生きる力”体験だと考えています。現在「知らない大人と話してはいけない」と子どもに教育することが増えていますが、安全なキッザニアの中では、もしも困ったことが起きた場合には、知らない大人であるスタッフに自分から話しかけてもらうことで、道が開けるという経験をしていただきたいという考えで、あえて不親切な作りにしています。

キッザニア

リアルな町並みが表現されている施設内

――「大人も体験したい」という声は以前からあったのでしょうか。

林:オープンした10年前からそうしたお声はいただいていて、今回の開催が決定すると「待っていました」という意見もありました。

キッザニア

働くともらえる報酬“キッゾ”はATMでの管理も可能(大人のキッザニアではATMの利用は制限されていました)

――反響が大きかった分、戸惑いの声もいくつか上がっていたそうですね。

林:10年間、キッザニアに通ってくださっているコアな方からは、「私たちのキッザニアをそんなに簡単に開放してしまうのか」という声も一部いただきました。オープン当初から大事にしてきたコンセプトを、大人が楽しむためだけに変えてしまうのかという戸惑いがあったようです。しかし、あくまでもコンセプトは一切変えておらず、大人用に何かをアレンジすることもなく、子どもたちがどのように体験を通して「難しい」と感じたり、「チームで働くことでこんな達成感があるのか」、ということを童心に帰って感じていただくという意図があって開催しますと説明すると、皆さんご理解してくださっていました。

――チケットは予約受付当日に即日完売となりましたが、大人からの注目度の高さは予測していましたか。

林:ここまで反響をいただくとは全く予想していませんでした。今回のイベントは「キッザニアをあまりよく知らない方に来ていただこう」と企画したものですが、その反面、そういった方々が「有料で体験しよう」というモチベーションになりにくいのではと考えていたので、短時間にこんなに多くの方に興味を持っていただけたことは驚きでした。

――お客さんの年齢層についてはいかがでしょうか。

林:16歳の高校生から50代後半の方まで幅広い年齢層の方がチケットを購入してくださいましたが、20代が4割強、30代が2割強と、予想以上にお若い方の来場が多い結果です。キッザニア甲子園をオープンさせて10年ですが、オープン当時16歳以上になっていた方々(キッザニアは3歳から15歳までが対象)が「行けるんだったら行ってみよう」と来てくださっているのかなと感じました。また入場時にカップルの方が多かったのも意外でした。

お給料が高い仕事は人気

――子どもに人気の職種は何になるのでしょうか。

林:協賛いただいている企業のおかげで、どのパビリオンもかなりリアルに体験ができるため、全てオススメです(笑)。傾向としてはお給料がたくさんもらえるものや、自分で作った食べ物などを施設内で食べたり持ち帰れるといったお仕事は、やってみたいという声を聞くことが多いです。

――お給料が高いお仕事にはどんな物があるのでしょうか。

林:食べ物関係のお仕事などは5キッゾ、警察官のお仕事など公共性の高いお仕事は8キッゾになっています。

キッザニア

警察署のお仕事は人気が高いらしい

――いろんな給与設定があるんですね。稼いだキッゾは銀行窓口で貯金して、ATMや窓口で引き出せるというのも面白かったのですが、このATMは独自に開発されたものなのでしょうか。

林:いえ、これは世の中で利用されているATMと同じものを使用しています。ATMはお札のサイズが要(かなめ)なので、キッゾのサイズを登録してあるんですよ。キッザニアの外の世界では子どもがATMを触ると「だめ」と言われるかもしれませんが、キッザニアでは逆に大人が手助けしすぎないようにとお願いしています。

――大人のキッザニアと通常のキッザニアを比べたときに、一番大きな差は何でしょうか。

林:基本的には全て通常のキッザニアと同じような運用ですが、ユニフォームだけは、体格のよい中学生向けにふだんから用意しているサイズ(大人用のサイズ)でそろえました。また、アクティビティーごとの体験時間は、子どもよりも大人の方が説明の理解度が高いため、通常よりも少し短く設定し、できるだけたくさんの方に体験していただけるようにしました。

――キッザニアに来たらこれをやってほしいという体験はありますか。

林:一人でもくもくと作り上げる職人的な仕事もあれば、チームで作り上げる仕事もあります。例えばテレビ局の場合は、華やかなキャスターだけでなく、音響さんも必要だしカメラさんも必要で、それぞれに責任があります。一人でやり遂げる仕事以外にも、全員で作り上げる達成感も感じていただければと思います。

キッザニア

テレビ大阪のパビリオンではテレビ局のお仕事が体験可能

キッザニア

本物のテレビ局が取材しに来ていました

キッザニア

なんかちょっと面白い

――現実の仕事でも向き不向きがありますから、いろいろと経験してみるのは良いことかもしれませんね。

林:何を体験すればいいのか分からないという方には、体験者の特性を聞いて仕事を紹介する「お仕事相談所」も設けているのでぜひ活用してほしいですね。

――2019年1月16日には、東京で大人のキッザニアが開催することとなりました(関連記事)。最後に東京開催に向けて一言お願い致します。

林:日常生活で子どもと関わりのない方にも、キッザニアのなかで子どもたちが何を感じてどう成長していけるのかという仕組みを感じていただければと思います。子育ては全ての大人が協力していかなくてはならないことだと思っていますので、この場所で体験したことを日常生活にも生かして、子どもたちに対してもそういった温かい目で接してもらえることが、日本の子どもたちの生きる力を磨くことにつながると信じています。ぜひたくさんの方にお越しいただけますと幸いです。

キッザニア

 今回のイベントの来場者数は635人。男女比は、男性約20%、女性約80%と女性が多かったそうで、年代別で見ると、20代が40%強。KCJ GROUPのアンケートに答えた人の回答では「満足」と「とても満足」が95%を占めていました。

 今回の取材では職業体験前にはちょっぴりはしゃいでいた大人たちが、ユニフォームを纏った瞬間に引き締まった表情となり、真剣にお仕事に取り組む姿や、体験終了後に笑顔を見せている姿がとても印象的でした。

キッザニア

インフラ系のお仕事「水道管理技師」(大成機工のパビリオン)でユニフォームをまとい笑顔を見せる皆さん。学生さんとのことで和気あいあいと楽しまれていました (ねとらぼ)

「愚者は経験から学び、賢者は歴史に学ぶ」という言葉もありますが、本当に理解するには経験するしかないかと思います。受け入れ先の負担が大変なのはありますが、一般社会でも是非このような職業体験の機会を設けてもらいたいものです。様々な意見、部外者から見ておかしい部分、参加した人の意識改革やルーティンワークしている日々の仕事の活性化に繋げられる可能性があるのではないでしょうか。大人たちにも夢を。。

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