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中国の医療系スタートアップ、Infervisionが日本進出へ――機械学習と画像認識をがん診断に適用

ディープラーニングと画像認識をがんの診断などに利用するスタートアップ、中国のInfervisionが日本市場に進出することが明らかになった。

TechCrunch Japanの取材に対し、同社は「日本市場への進出にあたり、いくつかの医療設備メーカーに私たちのプロダクトを紹介したところ、彼らからは良い反応が得られた」とコメントした。また、「日本でのパートナーシップも探しているところだ。病院などの医療機関や大学との連携を考えている」とも話している。

以下では、米国版TechCrunchが公開したInfervisionに関する記事を翻訳して紹介する(2017年5月公開)。

中国では、およそ60万人が毎年肺がんで亡くなっている。大気汚染が進み、喫煙率も高いこの国では、肺がんは主な死因の1つだ。肺がんの発生件数は、2020年までに毎年80万件のペースで増加するといわれている。

状況が悪化し続けるなか、中国の国営メディアは肺がんの脅威について報じただけでなく、大気汚染を手に負えない状況にまで悪化させたとして政府関係機関の責任を追求している。

中国が抱える問題は肺がんの発生件数の増加だけではない。質の低い医療もこの問題に拍車をかけている。手遅れになるまで肺がんの発見が遅れることもある。

北京に拠点をおくInfervisionは、機械学習とコンピュータービジョンのテクノロジーをがんの診断に利用するスタートアップだ。同社のCEOであるChen Kuan氏は、この問題を身をもって体験した。

540万の人口をもつ中国の都市Mianyang。この地域に住んでいたKuan氏の叔母は、地元の病院で適切な医療を受けることができず、彼女のがんは発見されることなく放置されてしまった。

「単純に、十分な知識や技量をもつ医師の数が足りていないのです」とKuan氏は語る。「医師は毎日かなり多くの患者を診断しなければならず、患者が受ける医療の質には大きなバラつきがあります」。

特に、放射線医師の不足は深刻だと彼はいう。

2012年、Kuan氏はシカゴ大学で経済学と政治学の2つの博士課程に在籍していた。彼はそこで機械学習のテクノロジーにはじめて触れ、これが後のInfervision創業のきっかけとなる。

中国出身の友人たちと共に、彼はディープラーニングと人工知能がもつ可能性に惹きこまれていった。しかし、Infersionのアイデアが具体化したのは、2年前に彼が中国でコンピュータービジョンとディープラーニングについての講義を行ったときだった。

ある放射線医師がKuan氏の講義を受けていた。彼は、長引く病気に苦しむ患者を助けるために、がんの診断に機械学習を利用してはどうかと考えていた。そして、その気持ちがKuan氏の心を打った。Kuan氏は博士課程を中退し、中国に戻ってInfervisionの創業準備を始めた。

それからあっと言う間に2年が過ぎ去り、Sequoia Capital Chinaなどから資金を集めたInfervisionは、Nvidiaが主催するGPU Tech Conferenceに登壇するまでになった。

Infervisionは、2003年に大流行したSARSに対応するかたちで中国全土に導入されたインフラを活用している。同社は、その当時に収集されたレントゲン写真を利用してアルゴリズムをトレーニングしたのだ。Infervisionはそれに加えて、同社のソフトウェアを導入する20の病院から得たリアルタイムデータも活用している(Peking Union Medical College Hospital、Shanghai Changzheng Hospitalなど)。

また、InfervisionはGE Helthcare、Cisco、Nvidiaなどと業務提携を結び、同社の技術向上を目指している。昨年のローンチ以降、同社はこれまでに10万枚以上のCTスキャン画像とレントゲン画像を解析した。

Infervisionは病院のシステムにオンプレミス型のソフトウェアをインストールし、病院から収集した新しい画像データによって画像認識と診断ツールの精度を向上させているとKuan氏は語る。

Kuan氏によれば、アルゴリズムのトレーニングには2つの段階があるという。まず、放射線医師から集めたアノテーション済みのデータがInfersionのトレーニングデータに加えられる。その後、精度が向上したソフトウェアが病院のシステムに再配信されるのだ。

「このテクノロジーが医師の代替品になることは絶対にありません。これは何度も繰り返される仕事を削減するための技術なのです」とKuan氏は語る。(Tech Crunch)

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