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成功ビジネスのすごい仕組みをビジュアルで学べる! 情報編/『ビジネスモデル2.0図鑑』⑤

うまくいっているビジネスモデルにはどんな共通点があるのか? 「ヒト」「モノ」「カネ」「情報」と4カテゴリーに分けた全100事例を図解。すべてを同じフォーマットで比べながら、各企業の「すごい仕組み」を学べる一冊です。第5回目も「情報」カテゴリーから2社を紹介します。

【情報】FASTALERT ~AIがSNSなどからニュースになりそうな情報をキャッチ~

「通信社なのに記者がいない」ということをはじめて知ったときは衝撃的だった。レストランにコックさんがいないのと同じようなものではないか、と。でも、「FASTALERT(ファストアラート)」というサービスを運営している株式会社JX通信社には本当に記者が1人もいないらしい。

 では、どうやってニュースを拾っているのか。実はAIが記者の代わりの役割を担っている。FASTALERTのAIは、SNSや他社メディアなどからニュースになりそうな情報がないかを常に探している。そして事件や事故と思われる一次情報を見つけると、FASTALERTを通じて各報道機関に配信される。報道機関の記者はその情報について取材をして裏を取るので、ウソの情報が報道される心配は少ない。

 メディア運営事業者は、FASTALERTを導入することで、事件・事故・災害などの一次情報を発生直後や報道前のタイミングで入手・確認ができるうえに、他社報道の監視の時間・手間も大幅にカットすることが可能になっているという。

「AIが人の仕事を奪う」などと言われているけれど、このサービスによって報道機関の記者は、人じゃないとできない仕事に時間を使えるようになった。代表取締役の米重克洋氏は、もともと報道業界の労働集約的な構造や、広告・課金収入が減ることで取材などにかけられる費用が減り報道記事の質が低くなることに問題意識を持ち、このサービスを立ち上げたという。

 この衝撃の大きさは、主な取引先と株主を見ればわかる。国内の主要テレビ局にはすべて配信されているし、株主として共同通信社や株式会社QUICKなど大手通信社が参加している。ちなみにFASTALERTと同じAIを使用した、個人向け「ニュース速報」特化型アプリ「NewsDigest」も運営していて、すでに100万DLを突破するほど拡大している。

【情報】コエステーション ~東芝系企業が運営する「人の声」のプラットフォーム~

「コエステーション」は、声の提供者と利用者をつなぐプラットフォーム。コミュニケーションAI「RECAIUS(リカイアス)」の音声合成技術を用いて、録音した肉声をデジタル化して集約している。その技術研究には音声・映像・知識処理分野で50年以上の技術の積み重ねがあり、東芝デジタルソリューションズ株式会社という企業が運営している。

 アプリで会員登録を行うと、声の提供や声の使用が可能になる。自分の声を提供したい人は、表示される文章を繰り返し読み上げて録音することで、AIの音声合成技術がその人自身の肉声を「コエ」として生成する。

 一方、「コエ」を使用したい人は、膨大なデータの中から自分のニーズに合った「コエ」を選んでテキストを入力すると、Youtuberチャンネルなどのコンテンツでしゃべらせることができる。

 これまで音声サービスの声は、既定のテキストの棒読みで、無感情に読み上げるものがほとんどだったけれど、このコミュニケーションAIは、自由なテキストで抑揚やスピードを調整して感情を表現することを可能にした。

 コエステーションを使えば、映像コンテンツ用のナレーションを作成したり、好みの声優の声でナビガイドをしてもらったりすることもできる。SNS上で声の提供・使用が可能になったことにより、今後SNS上のコミュニケーションがよりアナログに近づきそう。

 音声技術・音声合成技術の世界市場規模は2025年に約20兆円に達すると見込まれている。現段階では、アプリが無料でリリースされ収益化はなされていないけれど、プラットフォームとしてのコエステーションの登場は、顧客の新たな潜在ニーズにアプローチし、これまでにないサービス・ビジネスの創出が期待できる。

(ダ・ヴィンチニュース)

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