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未来のユニコーンを育む 世界のスタートアップ都市

いま、この都市が熱い!
パリ(フランス)

マクロン大統領就任も追い風、起業家が生活しやすいパリのスタートアップシーン

池田 将(THE BRIDGE 共同創業者兼ブロガー)

 ここ数年のヨーロッパで、パリは最も勢いあるスタートアップシーンの1つかもしれません。パリ中心部のサンティエという地域は以前、繊維問屋の街でしたが再開発でその多くが郊外に去り、地の利の割に家賃が安かったため、2000年代からIT企業が集まり始め、シリコンバレーになぞらえシリコンサンティエと呼ばれるようになりました。

同地域には、欧州を代表するライドシェアサービスのBlaBlaCar、パリ随一のスタートアップアクセラレーターNUMA、ハードウェアアクセラレーターのUsine、ハードウェアスタートアップに特化したVC兼コミュニティーHardware Club、フェイスブックの人工知能研究部門FAIR(Facebook AI Research)など、フランスを代表するスタートアップが集中しています。

2011年くらいから私がパリのスタートアップシーンを頻繁に訪れているのは、生活のしやすさと物価の安さに気づいたためです。私の肌感覚では、東京の生活コストや物価を100とすれば、ロンドンのそれは150~200、パリは東京と同程度、ベルリンは80程度です。人件費もほぼそれに比例します。そのため、ロンドンのスタートアップでは、高給取りのエンジニア全員をイギリス国内で養うことは難しいため、CTOをロンドンに置き、プログラマーやエンジニアはヨーロッパ各地に分散させるといった事例もよく見受けられます。

2017年のマクロン大統領就任も、フランスのスタートアップにとって追い風となっています。彼は就任直前に経済担当大臣として東京などのスタートアップシーンを訪れ、また投資銀行出身という経歴も手伝って、どうすればフランス経済が活性化するかを知っています。フランスを代表する年次スタートアップイベントViva Techでの基調講演で「フランスはスタートアップの国だ」と言ったことにも、こうした背景があるのかもしれません。

フランスは歴史的に労働者の権利が守られており、経営者は業績が悪化しても従業員を解雇できず、事業を縮小して継続する道を絶たれ、倒産を余儀なくされるケースが少なくありませんでした。これではスタートアップが育たないため法令が一部改正され、新興企業に限って雇用や解雇が柔軟にできるようになりました。政府が始めたFrench Tech Ticket(FTT)というプログラムに選ばれた外国人起業家には起業家ビザが付与され、パリでのオフィス賃料や従業員給与の一部が助成されます。

スタートアップハブ作りにしのぎを削る国
エストニアから中国・深圳まで最前線を紹介

 このほかパリでは世界最大のスタートアップキャンパス「Station F」のレポートも掲載している。

全体構成を担当した池田将氏は、総括記事の中で、「5年ほど前から、世界各国の政府が自国にスタートアップハブを作ることにしのぎを削り始めた。」と紹介。「シリコンバレーというスタートアップハブがスタンフォード大学やフェアチャイルドセミコンダクターの存在によって言わば自然発生的に生まれたのとは対照的に、各国政府は恣意的に、スタートアップハブを作り出そうとしている」と解説する。

そして「インパクトを与えるような大きなイノベーションの波は、多民族で小国がひしめき合うヨーロッパからもたらされるのではないか」との視点も提示している。

今回、紹介している地域は、下記のとおり。各地にスタートアップが集積する背景、地域の政策、生まれているスタートアップの特徴など詳しく紹介しているので、日米にはない成長の原動力をぜひiNTERNET magazine Reboot本誌で確認してほしい。(INTERNET WATCH)

  • タリン(エストニア)
    元祖IT先進国は国家・民間ともにブロックチェーン化で時代を先取り
  • ヘルシンキ&オウル(フィンランド)
    学生と元ノキア人材がスタートアップシーンをリードするSLUSH発祥の地
  • ベルリン(ドイツ)
    世界中のクリエイターとエンジニアが集まるアートとテックの交差点
  • テルアビブ(イスラエル)
    国家存続の必要性からイノベーションを生み出す中東のシリコンバレー
  • キガリ(ルワンダ)
    DMMがサブサハラのスタートアップハブを目指すルワンダに投資をする理由
  • バンガロール(インド)
    “最後の超大国”インドにおける最大のテックハブ都市
  • 上海(中国)
    26社のユニコーンを輩出する中国グローバルスタートアップシティー
  • 深圳(中国)
    「深圳速度」で2020年までに16兆円規模の十大未来産業創出を目指す経済特区

日本の某地域でもAI開発研究特区の動きがあるようです。AI企業や研究施設などに便利を与え発展させていきたいとか何とか。ただまだあまり公にはできないそうで、しかもあとスタートするのは1-2年後といった遅さで、世界の動きにから遅れている感が否めません。

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