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医療のブロックチェーン革命で、ここまで出来るようになる

※この記事は、11月20日号(11月13日売り)「ここまで来た AI医療」特集より。長い待ち時間や誤診、莫大なコストといった、病院や診療に付きまとう問題を飛躍的に解消する「切り札」としての人工知能に注目が集まっている。患者を救い、医療費は激減。医療の未来はもうここまで来ている。

医療業界は、患者のデータを効率的に活用できているとはお世辞にも言えない。医師や病院、クリニック、薬局、保険会社などが集める膨大な量のデータは、それぞれのコンピューターの中に──そしておそらくは、書類棚のファイルの中にも──ばらばらに保管されている。

患者に処方される薬が変わったり、新たにレントゲンが撮られたりしても、全てのデータが更新されるわけではない。医師や病院、薬局などの間でデータが共有されないからだ。

例えば、アメリカのボストンでは、医療機関で用いられている電子カルテシステムの種類が20を軽く超える。使っているシステムが違えば、医療機関の間で直接の情報共有ができない。しかも、これらのシステムは、ハッカーの侵入を受けて情報が盗み出されたり、消去・改変されたりする危険と隣り合わせだ。

救急医療の現場では、医師が患者の命に関わるデータを把握できないケースも少なくない。それが原因で患者の安全が脅かされる危険もある。

しかし、新しいテクノロジーを活用すれば、この状況を変えられる可能性がある。患者に関する最新の正確なデータを安全に保管して、ハッカーの手が届かないようにし、しかも医療関係者同士がデータを共有できるようにするシステムを構築できるかもしれない。

それを可能にするのがブロックチェーンだ。ビットコインなどの仮想通貨でも用いられているテクノロジーである。ブロックチェーンは、分散して置かれたデータベースのネットワークのこと。それらのデータベースを暗号化したメッセージをインターネット上でやりとりし、1つのネットワークを形づくる。

ブロックチェーン上に記録されているデータは消去できないが、正当な権限のあるユーザーなら更新できる。誰がどのような更新をしたかは、全て記録に残る仕組みになっている。

患者が自分のデータを管理

この技術を医療分野に応用すれば、患者の膨大な量のデータを安全に保管することが可能になる。データ入力の際にミスがあっても、誤りを簡単に見つけ出して修正できる。

それだけではない。患者も自分の医療データに目を通し、必要に応じて更新できるようになる。自らの症状を記録することも可能だ。

ブロックチェーンは、ほかの面でも医療の役に立てる可能性がある。米疾病対策センター(CDC)はこの技術を土台に、感染症に関するデータを共有するためのシステムを開発しようとしている。

新薬の臨床試験のプロセスもブロックチェーンの恩恵を受けられるかもしれない。現状では、臨床試験に関わる当事者間のデータ共有が不十分なために、数々の弊害が生まれている。

医療へのブロックチェーンの活用で一歩先を行くのがヨーロッパだ。EUは2016年、EU全域で医療関係の機関と患者個人がデータを共有するためのブロックチェーン・システムをつくる取り組みへの資金拠出を始めた。このシステムが完成すれば、オンライン上に個々の患者ごとの医療データが安全に保管され、パソコンやモバイル端末でアクセスできるようになる。

スウェーデンでは最近、ブロックチェーンを用いた医療データプラットフォーム「ケアチェーン」の運用が始まった。「誰にも管理されず、みんなが管理できる」というのがうたい文句だ。企業や個人は、ここにさまざまなデータを記録できる。個人の医療データにアクセスし、健康管理のためのアドバイスや商品を提案するアプリやサービスも開発できるようになっている。

医療分野でブロックチェーンが活用される未来を知りたければ、エストニアを見ればいい(本誌30ページ記事参照)。2012年以降、ブロックチェーン技術を用いて医療データを記録しているエストニアでは、全ての医療データの95%が電子化されている。電子化率は、医療費請求では100%、処方箋では99%に達する。

近い将来、世界中の国々でこのようなシステムが導入される日がやって来るのかもしれない。(Newsweek)

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