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AIが1秒で契約書をレビューする「LegalForce」

AIを搭載した契約書レビュー支援サービス「LegalForce」を提供するLegalForceは11月30日、ジャフコ、京都大学イノベーションキャピタル、ドリームインキュベータを引受先とした第三者割当増資により約5億円を調達したことを明らかにした。

今回の資金調達は8000万円を調達した4月のシードラウンドに続く、シリーズAラウンドという位置付け。同社では開発体制や人材採用を強化し、正式版のリリースに向けてプロダクトの拡充に力を入れてる。

AI活用のレビュー支援と契約書データベースで法務の負担を削減

以前紹介した通りLegalForceは森・濱田松本法律事務所出身の2人の弁護士が2017年に創業したスタートアップだ。弁護士としての経験に、京都大学と共同で研究開発を進める自然言語処理技術、万単位の契約書を分析することで得た知見を統合。法務担当者の契約書レビュー業務を支援するソフトウェアを開発してきた。

メインの機能は、サービス上にアップロードされたWordの契約書を瞬時にレビューする「レビュー支援」と、契約書データベース内での「キーワードによる条文検索」の2つ。これらによって契約書に潜むリスクの判定から、条文例のリサーチまでを一括でサポートする。

実際に使う際はLegalForce上に契約書をアップロードした後に、契約書の類型や自社の立場などレビュー条件を指定する。その上でレビューを実行すると自社に「不利な条文がないか」「欠落している条項がないか」を約1秒でチェック。リスクや抜け漏れのある部分が検出されるとともに、該当する箇所の修正文例が提示される。

8月のオープンβ版リリース時には秘密保持契約(NDA)のみが対象で、レビュー結果もCSVでダウンロードする必要があったけれど、現在は業務委託契約など5類型に対応。結果もブラウザ上ですぐに確認できるようになった。

また代表取締役CEOの角田望氏の話ではレビューの精度もリリース時より向上しているそう。たとえば初期から提供していたNDAの場合、8割ぐらいだった精度が今では9割5分くらいまで上がってきているという(精度は類型によっても異なる)。

LegalForceには類型ごとにチェックリストが搭載されていて、アップロードした契約書が各項目にヒットするかどうかをAIが判定する構造。精度が8割の場合だと10個コメントが表示された時、そのうち2つが間違えているようなイメージだ。

「自分自身もレビュー業務で使ったりするが、8割の精度では『まぁまぁ間違えているな』という感覚だった。これが9割5分まであがると『基本的には大丈夫』に変わる。実際に使ってもらっている現場のユーザーからも、かなり業務が楽になったという声が多い」(角田氏)

同サービスはそもそも支援ソリューションであり、法務担当者を完全に代替するわけではなく「単純な繰り返し業務をサポートする」もの。人間のチェックとAIのチェックを合わせることで、効率的かつ抜け漏れのない契約書レビューを実現するサービスだ。

そのためAIだけでレビューが完結するわけではないけれど、精度があがることでレビュー業務全体のスピードも上がり、法務担当者がより多くの時間を他の業務に使えるような効果が生まれている。

もうひとつのキーワードによる条文検索機能は、あらかじめ過去の契約書や自社のひな形をアップローしておくことで「社内に蓄積されてきた契約書のナレッジ」を有効活用できる仕組みだ。

たとえば損害賠償に関する条項を検討している際に「損賠賠償」で検索すると、データベース内の損害賠償に関連する条文を一覧で表示することが可能。従来は過去のファイルをひとつひとつ開きながら実施していたリサーチ業務の工数を大幅に削減できる点が特徴だ。

3ヶ月で大手企業や法律事務所など約70社が導入

オープンβ版の提供を始めてから約3ヶ月で大手企業や法律事務所を含む約70社が導入(2018年11月時点)。業界問わず、特に上場企業など法務部の専任スタッフが複数名いる規模の企業での活用が進んでいるという。

「特に大企業の法務部ではグローバル展開に向けた海外のリーガルサポートや、ガバナンスに関する難易度の高い仕事が増え、法務の仕事がどんどん拡大している。その一方で日常的な契約書関連の業務も疎かにはできず、各担当者の負担を軽減する仕組みが必要だ。人口減少などもあり法務部の人材を簡単には採用できないような状況だからこそ、LegalForceでは『法務部をどれだけ楽にさせられるか』をテーマにプロダクトを開発してきた」(角田氏)

β版のリリース以降も現場の担当者の負担を少しでも減らすという視点で随時プロダクトのアップデートを実施。新たに追加されたWordのアドイン機能も、その考え方から生まれたものだ。

これは簡単に言ってしまうとLegalForceの機能をWord上でそのまま使えるというもの。裏側ではクラウドと紐づいているので、Wordのアドイン機能を通じてレビューした履歴がクラウド上に残るほか、クラウド版と同じようにWord上でデータベースを活用した条文検索もできる。

実際に顧客にプロダクトを試してもらう中で、1台のPCを使ってブラウザとWordの契約書ファイルを何度も行ったり来たりする担当者の様子を見ていて「単にリスクをAIで判定するだけでは足りないと感じた」(角田氏)ことが背景にあるそう。

法務部の業務フローにギリギリまで寄り添いながら、一方でテクノロジーの恩恵もしっかりと受けられる形を考えた結果として、Wordのアドイン機能というアイデアが生まれたのだという。現在はOffice 365のみが対象となるが、順次Word 2016、2013への対応も進める予定だ。

今回調達した資金もプロダクトのさらなるアップデートに向けた開発体制や人材採用の強化に用いる方針。レビュー精度の向上のほか、対応類型の拡充や多言語対応、カスタマイズオプションの追加などに取り組む。

現在のβ版は無料で提供しているけれど、2019年の上旬にはいよいよ有料の正式版をローンチする予定。まずはスタートアップ向けのプランを先行で提供した後、大企業の法務部に対応したプランも整えていく計画だ。(techCrunch)

 

契約書をチェックしている人のツイートを見ると、賛否両論です。業務効率化と捗る一方8割の精度では困るといった意見があるようです。

 


 


 


 


 

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