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全社員がリモート勤務でも成功できたスタートアップの戦略とは?

GitLab」はソフトウェア開発環境を支援するサービスで、社内のクローズドな環境でソースコードの共有、プロジェクトの管理などが行えるシステムです。このGitLabを生み出したGitLab Inc.は「全ての社員がリモート勤務を行っている」という特徴を持ち、そのような環境でなぜGitLabが成功できたのかについてまとめられています。

GitLab’s Secret to Multi-Million-Dollar Success: All 350 Employees Work Remotely | Inc.com
https://www.inc.com/cameron-albert-deitch/2018-inc5000-gitlab.html

2018年の時点でGitLabは350人もの従業員を抱えていますが、それぞれの従業員が住んでいる国は多岐に渡り、全部で45カ国にもなるとのこと。全ての従業員がリモート環境で働いているため、ビデオ通話やSlackなどのチャットツールを用いて従業員が常時接続しています。

そんなGitLabは2014年の設立以降急速な拡大を続けており、2018年9月には新たに1億ドル(約110億円)の資金調達に成功し、企業としての評価額は10億ドル(約1100億円)に達したと報じられています。2014年の収益が16万5000ドル(約1900万円)だったのに対して、2017年の収益はおよそ1050万ドル(約12億円)と6000%近い成長を遂げており、アメリカで急速に成長している企業の第44位にランクインしているとのこと。

GitLabの共同創業者であるシッツェ・シブランディ氏は、「GitLabの成長は意図的なものでした」と証言しています。GitLabはプログラム開発におけるさまざまなステップにおいて存在する膨大な補助ツールを、一カ所に集めることができるプラットフォームを提供しています。個々の開発者には無料の限定アクセスを提供し、企業に対してはフルプライズの完全アクセス権を与えることで、「GitLabを使えば開発速度が2倍に向上する」と宣伝しています。チームの効率を改善することは、ある意味で人件費を抑えたまま新たな従業員を雇うことに等しい成果をもたらすものです。

by Jesús Corrius

GitLabの最初のバージョンは、シブランディ氏と共同でGitLabを創業したディミトリー・ザポロゼツ氏によって2011年に作られました。当時、ザポロゼツ氏はウクライナのコンサルティング会社に勤めており、GitLabは200人いた従業員の間でコードを共有するためのプラットフォームとして生まれました。GitLabはベンチャーキャピタルのYコンビネータが運営する掲示板・Hacker Newsに取り上げられ、オランダ在住のシブランディ氏をはじめとする多くの開発者によってどんどん改良されていきました。

やがてシブランディ氏はザポロゼツ氏にメールで「GitLabの会社を立ち上げるつもりです」と打診し、ザポロゼツ氏も会社を辞めてシブランディ氏と共同でそれぞれの国に住んだまま働き始めました。2014年に正式な会社としてGitLab Inc.を立ち上げ、急速な拡大を続けています。

2018年6月には世界最大のソフトウェア開発プラットフォームであったGitHabがMicrosoftによって買収され、企業による統制が始まるのを嫌がった多くのユーザーがGitLabに流入してくるという事態も発生。一気に20万ものコードプロジェクトがプラットフォーム内で増加し、7倍もの新たな注文をゲットすることができました。

by Ryan Morse

ザポロゼツ氏はとても慎重なタイプで、当初からGitLabのコードは公開していたものの、自身の情報はほとんど明かさず、シブランディ氏と通話する際にもビデオ通話を拒否。シブランディ氏が写真を求めても、顔が見えないほど巨大なサングラスをかけた写真を送ってきたそうです。ところが、会社が透明性をアピールするようになるとザポロゼツ氏の態度は軟化、今ではGitLabの会議やプレゼンの様子がYouTubeにアップされるほどになっています。

また、それぞれの従業員が起床したり仕事をしたりしている時間は違いますが、オンラインで情報を共有して自分が住む国のタイムゾーンに合わせて質問に答えるといったコミュニケーションが可能になっているとのこと。

完全リモート制の大きな利点として明らかなのが、「優秀な人材を住む地域や国によって取りこぼさずに済む」という点です。これによって採用できる可能性のある人材プールが非常に大きくなり、無理に優秀な人材を会社の近くに呼び寄せる必要がなくなります。地域的な拘束がないため募集に対する応募数も非常に多く、2018年第2四半期だけで1万3000件の応募があったそうです。

一方で大きな問題となるのが「会社の文化をどう維持するか」という点。一カ所に集まってCEOの意見やビジョンを聞く機会が従業員に与えられず、全従業員間で意志の統率を図ることは困難です。そこでGitLabでは従業員のスケジュールに「バーチャルコーヒーブレイク」という時間を設け、GitLabで働く以外の個人的な物事について従業員同士が話し、コミュニケーションが取れるようになっています。また、上級役員は従業員なら誰でも参加できるビデオチャットを行う時間を設け、月ごとに設定した目標にGitLabが到達したら全従業員に報酬が与えられるといったシステムも導入しているとのこと。GitLabの例から考えると、たとえ全ての従業員がリモート勤務であっても相互のコミュニケーションが取れて透明性のある状態を維持できれば、大きな成功を収められるのかもしれません。(GIGAZINE)

 

ギグエコノミーといった労働環境の多様性も増え、リモートワークも増えていくかと思います。

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