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急浮上「エッジコンピューティング関連」注目8銘柄

―市場膨張の予感に走り始めたマーケット、決算シーズン後「テーマ買い」回帰を先取る―

2日の東京株式市場では、大型連休の谷間ということもあり日経平均株価は方向感の定まらない展開となったが、決して悪い地合いではなく売り急ぐ動きもみられない。むしろ下値での物色意欲は旺盛であり、値上がり銘柄数は値下がりを大幅に上回った。足もとのマーケットは連休明け後の先高期待が静かに醸成されているようにも見える。

主力株を中長期スタンスで拾って5月後半相場を待つという手段もあるが、企業の決算発表がヤマを越えれば、再びテーマ株への資金還流が想定されるだけに、それに合わせた投資作戦をとりたい。有力視されるのはやはり人工知能(AI)IoT関連などのコンピューター周辺銘柄だ。そこで、ここにきて新たに急浮上の兆候が見られる「エッジコンピューティング」関連株に注目してみたい。

●距離短縮で反応速度高めリアルタイム需要に対応

あらゆるものをネットでつなぐIoT時代の本格到来に際し、クラウドコンピューティングだけにデータを集中させるとさまざまな課題も表面化する。ユーザーからデータセンターまでの物理的な距離が送受信のスピードを遅らせ、自動運転や工場のロボット制御のようにほぼリアルタイムの情報処理が求められるシーンでは、クラウドでは対応が難しいというケースも出てくる。このハードルをクリアするのがエッジコンピューティングである。エッジとは“末端”を意味するが、そのコンセプトはユーザーの近くにエッジサーバーを分散させ、距離を短縮することによって反応速度を高めるというものだ。

例えば、生産ラインの現場で複数の産業ロボットを合理的に動かすには、センサーが感知した情報を元にして位置や速度の調整を数ミリ秒単位でコントロールする必要がある。しかしクラウド環境ではデータ送受信に数十ミリ秒を要し、この条件を満たすことができない。クラウドに比べ最大100分の1程度の時間短縮が可能となるエッジコンピューティングであれば、この数ミリ秒単位のニーズにも対応することが可能であり、通信遅延の課題を乗り越えることができる。

●自動車向けもエッジ基盤の構築が重要課題に

一方、近年はコネクテッドカー自動運転車の研究開発に世界の大手企業がしのぎを削る状況にあるが、ここでも膨大なデータ量とハードを即時連携させる必要に迫られることで、エッジコンピューティングの役割が重要となる。世界規模で250兆円といわれる超巨大な自動車市場において、近い将来に完全自動運転が“標準装備”されるとすれば、そのバックボーンとなるエッジコンピューティングの市場も膨張することになる。既に昨年の時点でトヨタ自動車 <7203> やNTTドコモ <9437> は米インテルなどと連携して、エッジ基盤の構築に向けた組織を立ち上げている。

●ドローンビジネスでもエッジコンピューティング

早晩訪れるであろうIoT時代の到来はAI技術とも融合して、これまでには考えられなかった多くの可能性を生むことになるが、そのカギを握るテクノロジーのひとつにエッジコンピューティングが位置づけられることは論をまたない。日本の大手企業ではNC装置や産業ロボットの世界トップ企業であるファナック <6954> 、重電大手でFAシステムに強い三菱電機 <6503> 、総合電機首位で圧倒的なグループ力を有する日立製作所 <6501> などが、同分野の布石に積極的な構えをみせており注目される。

またコマツ <6301> は、ドローン製造で世界首位の中国DJIからドローンを1000台導入し、これを建設業界向けに貸し出すビジネスで耳目を集めたが、同時に自社開発の通信端末「エッジボックス」の貸し出しも行う。これは提携先の米エヌビディアのGPUプラットフォームを搭載したもので、エッジコンピューティング技術を用いて通信量の制御や情報の蓄積を可能としている。IoT時代の到来と歩調を合わせ、AIの社会実装は建設業界でも着実に進んでいる。

●DMPはエッジAI実現への思惑から2日連続S高

株式市場でこのエッジコンピューティングのテーマ性を市場に知らしめたのがディジタルメディアプロフェッショナル <3652> [東証M](=DMP)の株価パフォーマンスだ。DMPは研究開発型のファブレス半導体企業であり、3次元画像処理技術などの分野で先駆する。AI分野などを深耕しその独自技術力は高く評価されている。4月25日にディープラーニングの推論処理に特化したAIプロセッサーの新製品「ZIADV500」の提供を開始したことを発表、低コスト化や高性能化、低電力設計を可能としたエッジAIシステム実現への足がかりとなるだけに脚光を浴びた。

DMPはこれを手掛かり材料に2日連続で1000円高と値幅制限いっぱいに買われる人気となり、マーケットの視線が集中する格好となった。その後は目先筋の利益確定売りで調整を入れているものの、日足チャートは急騰時に開けたマドを埋め、6300円近辺では仕切り直し狙いの押し目買いも流入している。

●大相場の匂いを漂わせるこの8銘柄をロックオン

今後、このDMPの急騰劇に続く動きが東京市場を舞台に繰り広げられる可能性がある。では、ずばり関連株としてここから注目されるのは何か。

【ACCESSはDMPの裏銘柄として妙味】

まず、物色ターゲットとして浮上するのはACCESS <4813> [東証M]。同社は携帯電話向け閲覧ソフトなどを展開するが、業績面では安定性を欠き、ここ数年来苦戦を強いられていた。しかし、あらゆるものをオンライン化するIoT時代にビジネスチャンス拡大の可能性を内包している。エッジコンピューティングにAIを搭載したトータルソリューション「NetFront EdgeAI」を開発し提供を開始している。そして、そのハードウエアパートナーがDMPだ。

IoTではサイバーセキュリティ―や自動運転分野などクラウドを活用する際に、データ処理の遅延やトラフィック増大という課題のクリアが求められている。そのなか、ACCESSの「NetFront EdgeAI」はエッジ側にAI機能を搭載することでクラウド側の処理負担を画期的に軽減し、高速リアルタイム処理を実現する。

【ぷらっとホームも需給相場の資質あり】

また、ぷらっとホーム <6836> [東証2]はコンピューター周辺機器の製造販売を手掛けるが、同社が発表した高性能IoTゲートウェイ「OpenBlocks IoT VX2」はIoTエッジコンピューティングの構築を強力にサポートする製品として注目度が高い。業績面は低迷しており中期投資には慎重を要するが、需給相場の資質があり動き出せば足は速い。

【オプティムはエヌビディア関連で人気素地】

オプティム <3694> はスマートフォンなどの端末関連ソフトを展開、一括管理サービスをクラウドで提供するほか、遠隔操作のソフトウエアでも高い実績を持ちドローン関連の切り口もある。18年3月期は営業損益段階で収支均衡を予想しているが上振れ余地があり、19年3月期に回復色を強める公算がある。

同社はビッグローブ社とパートナーシップを結び、ビッグローブ社が4月に販売開始した企業向けIoTデバイス「BL-02」を核にしたサービスと連携して、AIを活用したデータ分析や行動センシング、路面状況管理ソリューションの提供などで協業する。また、画像処理半導体最大手の米エヌビディアとも協業体制にあり、世界初のモジュール型組み込みスーパーコンピューター「NVIDIA Jetson」と連携、エッジコンピューティングによるデータ処理の最適化を実現している。

【インフォテリアはミドルウエア「グラヴィオ」提供】

インフォテリア <3853> はXML技術をベースとしたソフト開発会社。主力のデータ連携ソフトの顧客開拓が進んでいる。18年3月期は営業利益段階で5億5000万円と前の期比8割以上の増益を見込むが一段の上方修正余地が意識されている。19年3月期も利益成長は続くとの見方が強い。同社はIoT対応のエッジコンピューティング用ミドルウエア「Gravio(グラヴィオ)」を昨年6月から提供しており、今後の業績寄与が期待される。同社はブロックチェーン推進協会を主宰していることでも知られているが、会社側では「現在は参加200社に及んでいる。ブロックチェーンとIoTの親和性は高く、今後も同分野の深耕に力を入れていく」としている。

【コアもIoTシステム分野で技術開拓に全力】

さらに、独立系のシステムインテグレーターで家電や通信向け組み込みソフトで優位性を持つコア <2359> も要注目。同社はAIを活用した画像認識プラットフォームの新製品などが好調で業績に貢献している。またエッジコンピューティング分野では、「IoT関連のシステム開発に注力するなか、同時進行的に総括して取り込む形で技術開拓を進めていく」(会社側)としている。業績も好調であり、18年3月期営業13%増益に続いて、19年3月期も前期比15%増の15億円を計画するなど2ケタ成長が続く見込みだ。

【都築電、NSW、さくらインターにも上値思惑】

このほか都築電気 <8157> [東証2]、NSW <9739> 、さくらインターネット <3778> などもエッジコンピューティングの有望株として要マークとなる。

都築電気は富士通系で通信と情報システムを主力としているが、エッジコンピューティング領域を軸とした新たな付加価値創出に積極的に取り組んでいる。また、NSWもIoTサービスへ重心を置き、ローカルネットワーク環境においてエッジデバイスによるデータの見える化、制御が可能となる組込みソフトウエア型評価パッケージ「Edge Device Controller」を手掛ける。さくらインターネットはエッジコンピューティングに概念の近いフォグコンピューティング分野に早くから取り組んでおり、フォグコンピューティングを推進する団体「OpenFog Consortium」に加入し、日本発のIoTシナリオ構築に意欲をみせている。(Kabutan)

 

エッジコンピューティングとはクラウドとモノの間の端にあるデータ処理する基盤を配置し、エッジ側で分散処理した上で結果をクラウドと連携する、という考えを指します。AIにはビッグデータが重要となってきますが、これらのビッグデータはアメリカや中国企業が圧倒的に優っておりますが、日本の産業界の優位点としてこのエッジコンピューティングが挙げられています。

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