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カナダでスモールビジネスがなぜ繁盛するのか?

私どもが入居する事務所は世界的なチェーン展開を図るシェアオフィス運営会社の一室。1人用サイズから5-6名程度収容までの事務所部屋が30室ぐらい並んでいるでしょうか?ロビー横のカフェテリア兼コミュニティスペースには人が途切れることはありませんが、交わされている多くの言葉は英語ではありません。

シェアメート同志は英語で話をしますが、ビジネス会話や携帯の話声は母国語らしき別の言語を使う人が目につきます。イランやロシア、中国語あたりは想像できますがそこから先はさっぱりわからない言語が飛び交っています。

街に出ればエスニックのテイストが強い店舗をお見掛けします。欧州、ロシアの加工肉(ハム、ソーセージ)専門店とかイスラム系のナッツ専門店、もちろん中国の漢方系の店もあります。日本では特定地域に行かなければまずお見掛けしないタイプの店舗が街で散見できます。そういう意味では日本食の食材店もユニークな存在であったのですが、「弁当」というローカル受けする商品を販売することで日本食材店がローカルに自然に馴染んでいます。

話はややずれますが日本食材店でレジに並ぶと英語で話しかけられます。何ら抵抗もありません。ところが韓国スーパーや中華スーパーに行くと韓国語や中国語で話しかけられます。このほんのわずかの違いですが、日本のスーパーはローカルに溶け込んでいる点で上手に経営していると思います。

さて、カナダはモザイク社会と言われます。様々な人種が一定のアイデンティティをもってカナダという国で共存するわけです。ところが言葉の壁や文化、社会の様式について誰もが問題なく吸収できるわけではありません。そのため、母国語のビジネスは不可欠であります。

例えば日本人が当地で不動産売買をするなら多くの方は日本語ができる日本人リアルターを介するでしょう。これは言葉や専門性以外に微妙な「無理」「慣習」「わがまま」を聞き入れてくれる心地よさがあるためです。私どもの日本語で借りられるレンタカーに日本人の問い合わせが多いのも細かいルールや保険のことがよくわからないとか、大手レンタカー会社は〇〇費という名目で加算料金が多いのにその質問もできないというもどかしさがあるからでしょう。

カナダでは出身国ないし、文化、社会慣習を共有できるモザイクごとにビジネスが生まれていると言っても過言ではありません。ところがモザイクの規模は小さいため、大手は参入しにくいようです。そこにスモールビジネスが活躍できるニッチの世界が大きく広がるのであります。

先日もある知り合いの日本人の方から「日本語で対応できる家財保険を扱う人、知らない?」と相談を受けました。ローカルの保険会社でクレーム(保険金支払い)に関してとても苦労し、もうとてもやってられないというものでした。もちろん、紹介させていただいたのですが、それほど大きくない日本人社会でもある程度一通りのビジネスは日本語サービスを受けることが可能なのです。たぶん、ほかの国の方々でもそうでしょう。

日本はほぼ単一民族。そこには弱肉強食があり、物まね文化があり、他人のいいとこどりがあります。結果として生まれるのは何処に行っても同じチェーンの店だったり似たような店だったりします。それは文化や常識観を区別する必要がないからでありましょう。こうなれば資本の発想が有効で大資本が有利になりやすくなります。

ところがカナダのように多民族国家は民族ごとのきめ細かいビジネスが規模こそ大きくないけれど可能であります。またカナダ政府もスモールビジネスに対する税制などのインセンティブを提供しています。

日本は起業しても真似され、大手にいじめられ、最後は潰されるか、買収されてしまうこともあるかもしれません。一方で、私が様々なビジネスをカナダで立ち上げ、継続できるのもニッチ(隙間)だらけでいくらでもビジネスの開拓余地があるから、と申し上げておきましょう。

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