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驚き! ネットがあれば数分で海外に会社作れる

エストニアの制度を使うとネットがあれば数分で海外法人が作れる。スタートアップとして申請して認められれば5年間の居住権を申請できる制度もある。

エストニア居住者(e-Resident)の証 EU2017EE Estonian Presidency

 「エストニアはすべてがオンライン。ネットがあれば数分で会社も作れます」

 そう話すのはエストニア共和国e-Residency制度広報責任者アーノルド・カステニヤ(Arnaud Castaignet)氏だ。e-Residency制度とは、エストニアの国民でも住民でもない人が、電子居住者(e-Resident)として登録すれば、オンラインでエストニアに会社をつくって経営できるようになる制度。2014年開始以来、海外展開の足がかりになると日本でもスタートアップの注目を集めている。

 「現在157ヵ国から5万人が電子居住者として登録していますが、うち約2500人が日本からで、すでに191社の会社を設立しています。分野はテクノロジー関連がほとんどですが、ブロックチェーン技術など多岐にわたります。たとえばブロックチェーン関連企業ブロックハイブ共同設立者の日下光さんはe-Residency制度で会社を作りました。ブロックハイブはユニコーンになるかもしれないと注目を集めているんですよ」(アーノルド・カステニヤ氏)

 起業家に注目されるエストニアの制度はもう1つある。スタートアップビザだ。

 スタートアップビザ制度は、評価の結果認められれば、会社が設立されていてもいなくてもエストニアに5年間の居住権を申請できるというもの。スタートアップビザプロジェクトマネジャーのマリリン・ルーク(Merilin Lukk)氏によれば、1200社ほどから申請を受け、430社ほどがビザの発行を認められている。

 「海外の会社がエストニアに移転することもあれば、エストニアの会社が海外から人材を連れてくるというときもあります。日本人は技術力に優れ、語学力もあり、マーケティングやセールスの知識もあるとして、従業員として魅力があると最近感じられるようになってきているんですよ」(マリリン・ルーク氏)

 エストニアでビジネスマッチング企業イーホリックを立ち上げた斎藤アレックス剛太さんもスタートアップビザを利用しているひとりだという。

●日本も見習うところがある
 e-Residencyにスタートアップビザ。起業支援制度を使ってエストニアに会社を作る最大のメリットは、経営上のやりとりがほとんどデータで完結することだ。

 「法的効力をもつ文書に署名しなければいけないとき。日本で書類に署名したときには、署名した書類をスキャンしてデータにして送る必要がありますよね。それが1回のデジタル署名だけですむんです」(アーノルド・カステニヤ氏)

 エストニアは約20年前から法的手続きの電子化を国策として進めてきた。国民は確定申告や選挙投票がネットでできるほか、電子カルテなどの取り組みも進んでいる。情報は一元管理されていて、様々なやりとりがスムーズだ。国のポータルサイト「eesti.ee」にログインすれば、誰がいつどこから情報にアクセスしたかの履歴もすべて透明に見えるようになっている。個人や企業だけでなく政府がアクセスした履歴も残るため、政府による情報の濫用はほぼ不可能な仕組み。このインフラを世界にオープンにしたのがe-Residency制度というわけだ。

 エストニアの人口は約132万人(2018年1月時点)。日本でいえば青森県の人口などと同等だ。エストニアは1991年に旧ソ連からの独立後、小さな国だからこそ国境を超えた活動をしなければならないという課題感のもと、国をあげてITなどイノベーション産業の誘致・育成を積極的に進めてきた。起業支援制度を使って人的交流が進むことについては、企業が多角化し、税収が増えるなどのメリットがあるからと、国民は総じてポジティブにとらえているという。外国人労働者の登用が大きな課題となっている日本も見習うところがありそうだ。

 「エストニアでは『オンラインでやってはいけないことは、結婚と、離婚と、不動産の売買だけだ』と言います。技術的にできないわけではなく、重要なことだから直接会ってやりとりをするべきだと。それ以外のことならエストニア市民はeビジネスの恩恵にあずかっているんです」(アーノルド・カステニヤ氏) (ASCII)

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