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中国で「IT革命」が劇的に進んでいる3つの理由

先月、中国グルメサイト大手「大衆点評(ダージョンディエンピン)」やネット宅配サービスを展開する「美団点評(メイタンディエンピン)」が、日本進出で話題となったシェアサイクル大手「Mobike(モバイク)」を買収した。

昨今、中国のIT化や中国企業の動向を伝えるニュースが増えてきているが、いったい中国で何が起こっているのか。

中国在住18年でサービス産業のコンサルタントをしている筆者が解説したいと思う。

美団点評(メイタンディエンピン)とは
急成長の「食品デリバリー市場」

美団点評は、昨年企業価値が300億ドル(約3兆2000億円)に到達した、「ユニコーン」第4位の注目企業である(「ユニコーン」とは、企業としての評価額が10億ドルを超える、非上場のベンチャー企業を指す)。

現在、グルメサイト「大衆点評(ダージョンディエンピン)」と、食品デリバリーサービス「美団(メイタン)」 を事業の軸に据え、中国市場において、この分野で圧倒的なシェアを誇っている。

その独占的なポジションを評価され、2015年には微信(WeChat)でおなじみの騰訊(テンセント)からも資金調達を果たしている。

ちなみに、競合に当たるアリババは、4月、中国食品デリバリー市場において美団と双璧をなす「餓了麼(ウーラマ;Ele.me)」を95億ドル(約1兆円超)規模で買収している。

また、企業価値500億ドルで2017年「ユニコーン」第2位で、現在中国の配車サービス市場を独占している滴滴出行(ディディチューシン)」も3月、100億元(約1700億円)規模のファイナンスを実行し、無錫で食品デリバリー市場に参入を果たしている。

今、中国でITイノベーションが起こっていると言っても、ピンとこないかもしれない。

筆者は決して、「キャッシュレス化」や「配車サービス」、「自転車」をはじめとする「シェアサービス」や「無人コンビニ」といった、最新のITサービスの普及を指して、イノベーションと言っているわけではない。

これまで一般的に、仮想空間とされ、現実の社会とは区別される傾向にあったオンラインの世界が、現実の社会を補完し、インフラとして広がりつつあるのだ。

中国で起こっているイノベーションの正体は、オンラインとオフラインの世界が融合したことなのだ。

日本でもスマートフォン(以下スマホ)は普及しているし、Apple Payをはじめとするキャッシュレスサービスだって、既に目新しいものではなく中国だけ進んでいるわけではないと感じる方もいるだろう。

実際日本にも、O2O(オンラインtoオフライン)を意識したマーケティングを強化している企業もあれば、「オムニチャネル」を実践している企業があることも事実である。

しかし、これら日本国内の進化と、今中国で起こっている変化はレベルが違うと言わざる得ない。

では、なぜ中国でこのようなイノベーションが実現したのだろうか。

大きな要因の1つが、ハード(スマホ)の十分な普及である。

ここで大切なのは、単に普及したというだけでなく社会インフラとして機能するだけの、十分な普及を果たしたという点である。

もちろん細かいことを言えば、中国でも全ての人がスマホを所持しているわけではない。

ただ、中国では、物乞いをする人間ですらスマホを所持しており、それに誰も疑問を持っていないことに驚かされる。

スマホは既にぜいたく品ではなく、必需品であるということなのだろう。

また、誤解を恐れず言うと、中国人には「割り切り」「切り捨て」的な思想がある。

そのことが、結果としてさらなる普及を促していると感じる。

2つ目の要因は、全ての端末(スマホ)に基本、個人ID(身分証明書)と銀行口座がひも付いたこと。

これにより、従来匿名性の高かったオンラインの世界と、オフライン(現実)の世界との垣根が大幅に下がり、オンライン上でも十分な信用が担保される世界が広がった。

社会体制の影響からくる、個人情報保護に対する意識の甘さも、結果としてプラスに働いた。

そして3つ目の要因が、14億人の巨大市場を背景に世界中から流入する巨額の資金だ。

現在の中国には、その豊富な資金力を元手にペガサス企業や次々と生まれる新興企業がM&Aを繰り返す、ダイナミックな市場環境がある。

加えて、業界の垣根を越えプラットホームを築いていくネット業界の巨人、BAT(百度、アリババ、テンセント)と、それを後押しする政府の存在も需要な役割を果たしている。

これから成功しそうなサービスを展開してるスタートアップ企業を、次々とBATが支援・買収することにより、新しい便利なサービスが、微信(WeChat)をはじめとする、彼らのプラットホームを共有し連動していく。

また、政府は少々問題が発生してもすぐには規制に入らず、一定期間静観し、動向を見極めた上で調整に入る。

この官民連携が、「正の連鎖」をもたらしている。

ITイノベーションがもたらした社会
信用のプラットホーム

アリババの決済サービス「支付宝(アリペイ)」に登録すると、個人信用を数値化する「芝麻信用(ジーマーシンヨン)」というサービスが自動的に付随してくることを知らない日本人は多い。

「芝麻信用(ジーマーシンヨン)」スコアは、「支付宝(アリペイ)の消費履歴」だけでなく、アリババグループのさまざまなサービスと“ひも付け管理”されており、「支払履行能力」や「消費傾向」がわかる。

驚くことに、「学歴」「職歴」や「人脈」、「個人資産」といった、極めて個人的な情報も加味されるようプログラムされている。

このスコアが上がると、各種シェアサービスやホテル宿泊の際に必要なデポジット免除、特定の国のビザが取りやすくなるなど、多くの特典を享受することができるのだ。

“魅力的な特典”を与えることで、このサービスの“肝”となる個人情報を、顧客に躊躇なく入力させることに成功している。

実際、「芝麻信用(ジーマーシンヨン)」は、既に社会的に信用のおける「評価システム」のプラットホームとして機能しはじめており、さらなる発展が期待されている、シェアリングエコノミーをはじめとする個人対個人(P2P)のビジネスを底支えする役割を果たしている。

もちろん、このサービスには個人情報保護の側面で問題がある。しかし、その利便性が中国人にとって将来のリスクに勝ったことは、理解するに難しくない。

ITイノベーションによる劇的な生活の変化は、今後もさらに進んでいくと考えられる。

一方、これらIT社会の発展は、より便利な社会を実現すると同時に、危険な一面を持ち合わせていることは間違いない。

しかし、その「負」の部分を杞憂し、躊躇、足踏みすることは意味のないことである。

科学技術の進歩により、一度進んでしまった社会は後戻りできない。

筆者は長らく中国に住み、そのダイナミックな変化を目の当たりにしてきたが、今はまさに「時代の転換期」であると強く感じている。

(ゼロイチ・フード・ラボCEO 藤岡久士)(東洋経済オンライン)

 

先日トルコ人実業家と話す機会がありました。トルコ-日本間以外にもドイツやイスラエルといった地域での活動があるグローバルでビジネス展開している人ですが、日本は規制が本当に厳しいと話してました。彼は日本がダメなのではなくて高齢で今までにないものやサービスを受け止める判断ができない人が責任ある地位(本当に責任がある人の所在もわからないケースも多いとのこと)にいるのが原因ではないかという話でした。新しいサービスを展開できなければそれに付随する最先端の技術やデータも蓄積できず、どんどん遅れを取ってしまうのですがまだそこまで危機感を肌で感じていないのかもしれません。

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