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スモールビジネスで大逆転! 地方経済が復活するただ1つの方法

「2040年には全国1800市区町村の半分の存続が難しくなる」―― これは今から5年前の2014年に「日本創生会議」の人口減少問題検討分科会が発表したショッキングな内容です。さらに国土交通省は、2050年には全国6割の地域で人口が半分以下になるという見通しを公表しました。

総務省の統計では、東京およびその近郊など一部の県に人口が集中し、大半の道府県では人口が減少しているのが見て取れます。このまま何も手を打たなければ、地方での深刻度が増していくと言われています。

何も手を打たなければ深刻になるのですが、「打つ手」はあるのです。それが私どもが提案する「地方創生ファンド」です。これは、地域の金融機関(地方銀行、信用金庫、信用組合)と協力し、地方の小さなベンチャー企業の創業支援をするファンドなのです。

地方のスモールビジネスといえども将来有望な企業ならば、地元に雇用を生み出します。そのような企業が増えていけば、地方経済の活性化が期待できます。

実際に、風前の灯火である日本の伝統技術・漆関連のベンチャー企業(岩手県)を支援したところ、トヨタと漆仕様のアクアの開発を行ったり、JR東日本の豪華列車「四季島」の内装に漆塗りパネルが採用されたりするなど、今や大きな広がりを見せています。

また秋田県の和洋菓子店では、日本一大きい栗(西明寺栗)や珍しい食べられるホウズキといった地元の特産品を使ったスイーツの商品開発やマーケティング、資金調達までを支援したことによって、東京の三越、伊勢丹という大手百貨店と取引が行われ、全国区の知名度を持つまでになりました。

地方の小さな菓子店がいまや年商1億円にまで成長しています。

資金問題を解決する

このほか、地方のスモールビジネスの成功例はたくさんあります。

成功する地方ベンチャーの経営者は総じて、会社の規模やシェアを大きくすることを目指すのではなく、地元の課題を解決するために知恵を絞ったり、共感や感動を人に与えたりすることに情熱を燃やしている方々です。

そのような経営者の方々が一番不安になるのが、資金問題です。実績がないという理由で金融機関から融資が受けにくいのが現状です。

そこで私たちは投資をする際、投資先へのヒアリングを繰り返し、その会社、その事業が持っている本当の価値を見極め、創業間もない会社にも投資するわけです。投資するだけでなく、その会社にとって必要とされるマーケティングから商品開発、PRや広報などの経営的な支援も行っていきます。

地方企業に成長資金を行き渡らせる

お金は血液に例えられ、金融緩和でお金は増えましたが地方に行き渡っていません。血液が体の隅々にまで行き渡らないと、新しい細胞が造られず、端から腐っていきます。

地方創生ファンドには、地方で新たに生まれる企業に成長資金を行き渡らせる効果があります。地方創生ファンドが企業に出資をすることにより、地元企業が活性化すれば、雇用が安定します。雇用の安定は生活の安定につながり、人口減少に歯止めをかけるきっかけになるでしょう。

そのために、私たちは地域の金融機関と協力し、福島、秋田、大阪、京都など全国で約20ファンドの地方創生ファンドを立ち上げています。これまでに投資してきた会社数は129社、総投資金額は14億500万円(2018年9月末現在)になります。

投資先企業の株式上場を狙って投資するタイプのベンチャーキャピタルは、企業に成長資金を供給するという意味では経済の活性化に有効ですが、上場までたどり着ける会社は「10社中1社程度」と考えており、上場できた1社から得られる上場利益によって、他の会社への投資で被った損失を全額回収するという前提です。

従来のベンチャーキャピタルでは、上場によって投資先企業の株価が大きく上昇すれば、そこで売却して利益を確定させ、エグジット(EXIT)になります。株式市場が好調な時にエグジットすれば利益は大きく、市況が悪くなると損失が膨らみ、企業への資金供給が止まります。また、上場する会社の大半は東京の会社であり、東京一極集中を打開する方法にはなりません。

しかし私たちが組成している地方創生ファンドは、地元のスモールビジネスを中心にして、そこに資金を提供するのが目的ですから、一般的なベンチャーキャピタルのように、株式上場で多額の売却益を確保するという形のエグジットは考えていません。

私たちが地方創生ファンドを通じてサポートするのは、スモールビジネス系が中心です。登山にたとえるなら、エベレストのような8000メートル級の山ではなく、1200メートル級の、それでもまだあまり登山ルートが開拓されていないような山を目指す会社です。

投資先の大半は、大手企業が提供できないサービス、地元の人たちが困っていることを解決するようなサービスを提供している、社長を含め社員2、3名の会社です。そして、地方創生ファンドがスタートしてから、現時点でデフォルトした会社は1社もありません。地方のスモールビジネスといえども、他社にない魅力的な事業で、資金があれば必ず発展していくのです。

photo by iStock

なんといっても地域金融機関の協力が不可欠

地方創生ファンド運営の流れと仕組みについては、拙著『地域金融復権のカギ「地方創生ファンド」』をご一読いただければと思いますが、地方経済活性化のカギは、地域金融機関の変革と協力にあります。しかし、これまでの地域金融機関は、バブル崩壊後に登場した「金融検査マニュアル」が壁となり、新規性のあるビジネスへの資金供給が困難な状態に陥っていました。

「金融検査マニュアル」とは、金融庁が金融機関を検査する際に用いるマニュアルのこと。金融庁の検査官が定期的に金融機関を回り、このマニュアルに沿って、健全な経営が行われているかどうかをチェックします。金融機関は、金融庁検査で何も問題が生じないように、自分たちが融資をしている企業に対し「自己査定」を行います。

この画一的な「自己査定」により、有望と思えたとしても、決算書も業績もない立ち上がったばかりのベンチャー企業はリスクが高いと判断され、その結果、極力融資しないという流れができあがってしまいました。つまり、約20年続いた金融検査マニュアルによって、金融機関は最も必要な能力である事業を評価する「審査能力」を失いかけているといっても過言ではありません。

ところが、その金融庁によって金融検査マニュアルが2019年3月に廃止となりました。

金融庁は金融機関に対して「事業性評価融資」という融資姿勢を求めています。事業性評価融資とは、決算書の中身や担保の有無で融資の可否を判断するのではなく、事業の中身、成長の可能性なども加味したうえで行う融資のことです。まさに地域金融機関にとって書類の審査だけでではなく、事業評価の「目利き」の人材を育てなければいけないという変革の時が来たのです。

地域金融機関にも大きなビジネスチャンス

この4月から、金融機関はいよいよ本格的に事業性評価融資に取り組まなければなりません。事業性評価融資にとって地方創生ファンドが大きな力となります。そして、私たちとともに地方創生ファンドの組成・運用を行うことは、地域金融機関にとって次のような大きな3つのメリットがあります。①事業性評価のノウハウが吸収できる。
②実績が出ていないうちは地方創生ファンドから資金を供給し、
投資先企業が育ち、実績が出たタイミングで融資ができる。
③新規性のある企業を支援したい地方自治体や支援機関との連携が深まる。

これまで「前例がない」「実績がない」という理由で、創業間もない会社への融資ができなかった地域金融機関でも、地方創生ファンドを組成し投資すれば、将来有望な地元企業とのつながりができ、それが融資につながる可能性が大いに出てきます。


地方創生ファンドを通じて、地元に創業を増やすことができれば、地域金融機関にとっては、新しいビジネスチャンスにもなり、地域の企業とともに地方経済を活性化する起爆剤ともなりえると考えるのです。

私たちと共に、多くの地方銀行や信金・信組といった地域金融機関が立ち上がり、金融機関の職務を全うすれば、必ずや金融の力で今の地方経済を活性化できると信じています。

現在金余りの状態が起こっており、お金が価値が下がってきている。そのような人に対して興味深い案件と思われる投資対象があればお金の融資は非常に敷居が低くなっている。。という話はお金持ちの人たちの間で最近よく聞く話です。全く実感できませんが。とはいえある程度経済的に成功した人が地元にお金を還元できる仕組みを用意するのは大いに有りだと思います。この記事では地元ベンチャーに支援を当てることを書いておりますが、東京に出て成功した人も地元に還元できるシステムを用意することで幅を広げられるのではないでしょうか。

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